茨城県つくば市にある農研機構(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)では絹の持つ細胞育成機能に目をつけ、絹糸を溶解しそれを透明なフィルム状に整形することによってできる、創傷被覆材(人工皮膚)を開発しました。ところが、製造コストが非常に高く、医療現場での利用には問題が生じてしまったのです。そこで、シルクの持つ細胞育成機能を応用した化粧品として商品化することになったのです。
シルクが何故お肌に良いのかといえば絹の持つ保湿性、通気性、抗菌性、バリア機能に優れているという特性によるものです。つまり、シルクの肌着を着るように、肌を包み込むことにより効果を発揮するのです。
昨今の美容業界では「低分子」や「ナノ化」、果ては「ピコ化」といった言葉がもてはやされており、従来のシルク成分もまた酸や酵素等によって低分子化された加水分解シルク(シルクペプチド)でした。
しかし、加水分解によってバラバラにされたシルク成分は本来持っている定着性が低下し、バリア機能も損なわれるため、細胞生育機能も低下してしまいます。一方、弊社ではより効果を高めるため、シルク成分は全て高分子の状態で配合しております。
食品や化粧品に使われるシルク成分の多くは、このフィブリル繊維をさらに細かくして、低分子の状態にしています。
フィブリル繊維の拡大図
実際には肉眼では見ることはできませんが、繊維部分は実はこのようにフィブロイン分子が絡み合ってフィブリル繊維を構成しています。
弊社ではこのように絡み合った繊維(フィブリル繊維)を中性塩を使ってほぐし、水溶液にしたものを使っております。
このフィブロイン水溶液中に存在するフィブロイン分子は高分子体なので、定着もよく繊細なため、汚れや余分な油、角質を包み込む機能に優れており、シルクが本来持つ機能を充分に発揮することのできる状態なのです。